先週は久しぶりに音楽を堪能してきました。友人からもらったチケット、しかもS席(ちなみに、この日は結婚26周年でした)サントリーホール、ファビオ・ルイジ指揮「ウイーン交響楽団」の「ブラームス交響曲第1番と第2番」を聞いてきました。
指揮者と演奏楽団と音楽ホールが三拍子揃った、とても素晴らしいコンサートで、久々に妻も感動してくれたので無事周年事業ができてほっとしました。友人に感謝です。
たまに他のホールでコンサートを聞いたりしますが、流石にサントリーホールは違うなと思いました。
◆対比効果
サントリーホールと他のホールを比べてはいけないのだと思いますが、つい比べてしまったりすることは誰にでもあることではないでしょうか?
実は、広告効果を上げるときに、この対比効果を使うと非常に成約率が高まります。意外と知らないところで消費者はその罠にはまってしまうケースがあります。 しかし騙されたと思わなければ、決して損をしたと思わなければ、その罠にはまったと永遠に気付かなければ、それはそれで幸せだと思います。
対比効果の科学的研究の例として面白い研究がありました。
この研究は男性の被験者に女性の魅力を測るテストでした (またこのような事例を紹介すると女性から非難が来そうです)。 男性被験者はテレビ番組「チャーリーズエンジェル」を見る前と見た後に、彼等がこれから会うことになっている女性の魅力を写真から判断しました。
すると、男性被験者は番組を見た後の方が見る前よりも、その女性を魅力的でないと評価していました。
これは明らかに、テレビのエンジェル達と一般女性を比較して魅力的でないように見えたのだと思います。
人は、物事を判断するときに絶対的評価はあまりしません。 ほとんど無意識に相対的評価をしています。
風刺作家ジョナサン・スイフトの書いた「ガリバー旅行記」では、ガリバーは普通の身長(170センチ)でしたが、身長15センチの小人の国にいった時は大男に見られ、平均身長18メートルの国にいった時は小人に見られていました。
これは明らかに対比評価です。 人は無意識のうちに対比しています。
◆映画の中の対比評価
アメリカの映画等を見ていると、時々この対比効果を使った面白いシーンが出てきます。 よくでてくるのが不動産会社です。 中古の家を購入しようとしている見込み客に、顧客の希望を聞いたあとで 「お気に召して頂けると思う家」を幾つか選んで、顧客を車で案内します。
最初の家は狭い敷地に建っており、寝室は小さなものが2つしかなく、外壁も塗りなおす必要がありそうだし、インテリアも相当くたびれている。 台所の床はめぐれ上がっているところがあり、居間のカーペットは擦り切れている。
不動産会社から売値を聞いた時、顧客は思わず叫んでしまう。 「え!こんなボロ家にそんな大金を払うような馬鹿はいませんよ!」 おそらくこの家は誰も買わない家でしょう! つまりこれは「おとり」なのです。
この荒れ果てた家を見せることによって顧客の家の購入にどのような影響を与えるのか?もうお分かりでしょう。
2番目に見る家は、前に見た家と必ず比較します。 すると顧客は、本当は理想的な家ではなくても、最初にみた家と比べるとなんと立派にみえることか?庭も寝室も充分に広い。 インテリアもキチンとしている、少なくとも3年はペンキ塗りも必要なさそうだ。売値も前のボロ家より少し高い程度だと思うと、持ち主の気が変わらないうちに早く契約をしてしまおうと言う気持ちになってしまいます。
映画では又違った落としどころがあったりしますが・・・
私達は何かを購入しようとするときに、キチンと自分で判断をして正しい判断と思って決めていますが、意外と対比効果の餌食に晒されているかもしれません。 私たちは常に物事を判断するときに相対的に考えています。
中古車のディーラーは、売り物の見栄えをよくするために、側にポンコツの車を置いておくかもしれない、大統領候補者は自分が大統領に相応しい人物にみえるように、自分より背の低い人を副大統領に選ぶかもしれない。
賢い消費者になるためには、対比する物を与えられたものと対比するのではく、別のモノと対比する習慣を持つことでしょう!
◆ペプシコーラの対比効果
対比効果を悪い面ばかり強調をしすぎましたが、テレビなどを見ていると結構対比効果を上手に使った広告があります。
ちょっと古い例ですが「ペプシコーラ」がコカコーラの後から「コーラ」を発売する時にとった戦略が、正に対比効果を逆手に取った上手いやり方でした。
「これはコーラではありません!」と謳ったのです。
コーラ=コカコーラという時代でしたので、コーラではないと謳うと、人はコカコーラと比較します。
これで一気に「ペプシコーラ」の知名度があがりました。
人は無意識のうちに比較しています。マーケティング戦略を立てるときには大変重要なファクターの一つです。
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