ワタナベメディアプロダクツ株式会社の代表:渡邉勝彦のブログ
マーケティングアドバイザー渡邉勝彦

先週は久しぶりに音楽を堪能してきました。友人からもらったチケット、しかもS席(ちなみに、この日は結婚26周年でした)サントリーホール、ファビオ・ルイジ指揮「ウイーン交響楽団」の「ブラームス交響曲第1番と第2番」を聞いてきました。

指揮者と演奏楽団と音楽ホールが三拍子揃った、とても素晴らしいコンサートで、久々に妻も感動してくれたので無事周年事業ができてほっとしました。友人に感謝です。

たまに他のホールでコンサートを聞いたりしますが、流石にサントリーホールは違うなと思いました。

対比効果
サントリーホールと他のホールを比べてはいけないのだと思いますが、つい比べてしまったりすることは誰にでもあることではないでしょうか?

実は、広告効果を上げるときに、この対比効果を使うと非常に成約率が高まります。意外と知らないところで消費者はその罠にはまってしまうケースがあります。 しかし騙されたと思わなければ、決して損をしたと思わなければ、その罠にはまったと永遠に気付かなければ、それはそれで幸せだと思います。

対比効果の科学的研究の例として面白い研究がありました。

この研究は男性の被験者に女性の魅力を測るテストでした (またこのような事例を紹介すると女性から非難が来そうです)。 男性被験者はテレビ番組「チャーリーズエンジェル」を見る前と見た後に、彼等がこれから会うことになっている女性の魅力を写真から判断しました。

すると、男性被験者は番組を見た後の方が見る前よりも、その女性を魅力的でないと評価していました。

これは明らかに、テレビのエンジェル達と一般女性を比較して魅力的でないように見えたのだと思います。

人は、物事を判断するときに絶対的評価はあまりしません。 ほとんど無意識に相対的評価をしています。

風刺作家ジョナサン・スイフトの書いた「ガリバー旅行記」では、ガリバーは普通の身長(170センチ)でしたが、身長15センチの小人の国にいった時は大男に見られ、平均身長18メートルの国にいった時は小人に見られていました。

これは明らかに対比評価です。 人は無意識のうちに対比しています。

映画の中の対比評価

アメリカの映画等を見ていると、時々この対比効果を使った面白いシーンが出てきます。 よくでてくるのが不動産会社です。 中古の家を購入しようとしている見込み客に、顧客の希望を聞いたあとで 「お気に召して頂けると思う家」を幾つか選んで、顧客を車で案内します。

最初の家は狭い敷地に建っており、寝室は小さなものが2つしかなく、外壁も塗りなおす必要がありそうだし、インテリアも相当くたびれている。 台所の床はめぐれ上がっているところがあり、居間のカーペットは擦り切れている。

不動産会社から売値を聞いた時、顧客は思わず叫んでしまう。 「え!こんなボロ家にそんな大金を払うような馬鹿はいませんよ!」 おそらくこの家は誰も買わない家でしょう! つまりこれは「おとり」なのです。

この荒れ果てた家を見せることによって顧客の家の購入にどのような影響を与えるのか?もうお分かりでしょう。

2番目に見る家は、前に見た家と必ず比較します。 すると顧客は、本当は理想的な家ではなくても、最初にみた家と比べるとなんと立派にみえることか?庭も寝室も充分に広い。 インテリアもキチンとしている、少なくとも3年はペンキ塗りも必要なさそうだ。売値も前のボロ家より少し高い程度だと思うと、持ち主の気が変わらないうちに早く契約をしてしまおうと言う気持ちになってしまいます。

映画では又違った落としどころがあったりしますが・・・

私達は何かを購入しようとするときに、キチンと自分で判断をして正しい判断と思って決めていますが、意外と対比効果の餌食に晒されているかもしれません。 私たちは常に物事を判断するときに相対的に考えています。

中古車のディーラーは、売り物の見栄えをよくするために、側にポンコツの車を置いておくかもしれない、大統領候補者は自分が大統領に相応しい人物にみえるように、自分より背の低い人を副大統領に選ぶかもしれない。

賢い消費者になるためには、対比する物を与えられたものと対比するのではく、別のモノと対比する習慣を持つことでしょう!

ペプシコーラの対比効果
対比効果を悪い面ばかり強調をしすぎましたが、テレビなどを見ていると結構対比効果を上手に使った広告があります。

ちょっと古い例ですが「ペプシコーラ」がコカコーラの後から「コーラ」を発売する時にとった戦略が、正に対比効果を逆手に取った上手いやり方でした。

「これはコーラではありません!」と謳ったのです。

コーラ=コカコーラという時代でしたので、コーラではないと謳うと、人はコカコーラと比較します。

これで一気に「ペプシコーラ」の知名度があがりました。

人は無意識のうちに比較しています。マーケティング戦略を立てるときには大変重要なファクターの一つです。

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折角、景気が少し回復しかけていたところに「ギリシャ問題」が勃発し、ユーロ安、ドル安、株価も1万円を割り込む状態になり一気に気持ちが沈みかけてしまいそうです。

先日、毎月定期的に開いている「新経営塾」という勉強会の講師役として自民党議員で経済産業省OBの1年生議員の方が来ました。 今の民主党では日本経済がぼろぼろになってしまう、と嘆いておりました。 約50分の時間の3分の2は批判ばかりでした。

私としては、民主党の批判よりも経済産業省出身のバリバリのキャリア官僚だったので、もっとこの国の将来ビジョンとか建設的な意見を期待していたのですが、あまり建設的な意見がきけなかったのが非常に残念でした。

商品戦略
今の韓国を見ていると終戦後の日本を思い出します。 城山三郎の小説「官僚達の夏」に出てくる当時の通産省の官僚達は、日本の製造業をどうやって世界に通用する製造業に育てていくのか、民間と一緒になって真剣になって取り組んでいました。 残念ながら今の官僚達には、そのような意識が薄いように感じました。

そういった状況の中で、今の日本経済はまだデフレから脱却できず、熾烈な価格競争をしています。

ハンバーガー競争、牛丼競争、お弁当競争、ジーンズ競争等々価格競争は留まるところを知りません。

しかし視点をちょっとずらしてみると、最近の競争は質が変わってきたように思います。

同業社同士で同じ土俵で戦わず、独自の戦略を打ち出す企業が出てきました。 「マクドナルド」は100円バーガーに限らず「テキサスバーガー」 「ハワイアンバーガー」等高級ハンバーガーを開発してヒットさせていますし、店内の内装も同業他社とは違った高級感のある内装にして落ち着きのあるカフェのような感じです。

「ファーストキッチン」はもう単なるハンバーガー屋でありません。 様々な具材を使ったバーガーを開発(焼肉、エビチリ、チャーシュー)し、普通のハンバーガー屋さんとは一線を画すような戦略を取っています。

マーケティングの重要な要素に「商品戦略」があります。 価格戦略はマーケティング戦略の一部にすぎません。 今元気な企業を見ていると「商品開発」の巧みなところが目立っています。

市場規模が半減する中、売上を伸ばすクリーニング屋さん
クリーニング業界は8200億円の市場が4600億円市場に半減してしまいました。 そのような急減している市場の中で売上を伸ばしているクリーニング屋さんがあります。

その会社は「喜久屋」と言います。

「喜久屋」さんは、安売り合戦をしていたのでは大手に勝ち目はないと考えて、様々なサービスを打ち出しました。

簡単に言うと「クリーニングの通販」なのですが・・・ 普通の通販は値段を下げて、早く安くというのがモットーだと思いますが、ここは違います。例えばスーツ1着1800円もします。 普通のクリーニング屋さんの1,8倍の価格です。

何故、高くてもお客が殺到するのか?

その訳は、クリーニング品の保管サービス、宅配サービス等の ユニークなサービスにあります。単に預かるだけでなく、コンピュータ上にお客様の部屋を作り、IDとパスワードを発行しています。自分の部屋に見に行くと、預けてあるクリーニング品が見える仕組みになっています。

預けてあるスーツを来週の土曜日に大阪のホテルに届けてください、というメールを送ると、指定した衣類が指定した時間・場所に届けられるような仕組みになっています。

クリーニングをするだけなら価格競争になってしまいますが、新たな付加価値をつければ、高くても消費者は買ってくれます。

マーケティング戦略の中でも商品戦略が占めるウエイトは大きいものがあります。 価格競争に巻き込まれる前に、自社の売り物は何かを再度見直す必要があるのではないでしょうか!

ではどうやって製品開発、商品開発を行ったらよいのか?

ヒントは他業界を分析することです。

中小企業が時間と大金をかけて商品開発など、そうそうできるものではありません。

昨日、NHKの大河ドラマ「龍馬伝」の中で、岩崎弥太郎が材木を売るのに四苦八苦しているシーンがありました。 最終的には、あるサービスを付加することで材木が飛ぶように売れていきました。

あのシーンを見ていた人は、恐らく何かを感じたと思います。 そこにヒントが隠されていました。 その「商品開発」のヒントは6月のセミナーで、お話したいと思います。

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上場企業の決算発表がこのところ話題を呼んでいます。 リーマンショック以来沈んでいた企業業績に明るさが少しずつ戻ってきました。

ギリシャ問題やアメリカの金融業界の不正取引問題等がなければ、世界経済も持ち直してくるのではないかと思いますが、 なかなか思うようにはいかないものです。

それでも私のクライントの中で 良い決算をするところが徐々に増えてきました。

ピータードラッカー
去年がピータードラッカーの生誕100周年だったのですが、今又脚光を浴びています。

その訳は「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの【マネージメント】を読んだら」という本が50万部の大ヒットに なっているからです。 (普通のビジネス書ではせいぜい数万部が良いところです)

お読みになった方もいらっしゃるのではないかと思います。 その影響もあってだと思いますが、今あちこちの本屋でドラッカーの本が山積みされています。

情報リテラシー
今週号の日経ビジネスにもドラッカーの特集がありました。 題して「ドラッカーの情報論」。 私も8年前に買った「ネクストソサエティ」を本棚から引っ張り出してきて再読をしました。

8年前の時に「コンピューターリテラシーから情報リテラシー」の時代が来るとドラッカーは予言をしていました。

今自分達の企業活動を見ていると確かにインターネットは世界中の隅々まで普及し、私達は何処にいても、欲しい情報を欲しい時に入手できるようになりました。

しかし果たして、これで「情報リテラシーが身についた」と言えるでしょうか? 今、私のところには毎週様々な情報が怒涛のように押し寄せてきます。 自分が定期的に購読している「日経ビジネス」をはじめ各銀行系の機関紙、業界紙、勝手に送られてくる情報誌を入れると10誌以上の情報誌が毎週送られてきます。 その他に色々なメルマガも送られてきます。 ハッキリ言って全部読んでいる暇はありません。

どうやってこれらの情報を整理、分類、統合し仕分けをしていくのか? 一時、大企業には「CIO、最高情報責任者」という肩書きの人達がおりました。毎日怒涛のように押し寄せる情報を整理、分類、統合し、仕分けして必要と思われる情報をトップに伝える仕事だったように思います。

何が大事な情報で何が不要な情報か? これを決める人は一体だれなのか? を考えると、トップにしかできないことではないかと思います。

世界最初の経営セミナーは、1882年のドイツ郵政庁によって企画された、企業トップだけが招かれた「電話を恐れぬ方法」というセミナーだったそうです。

しかし参加者は0だったそうです。 何故か? 企業トップは、電話は事務員が使うものでトップが使うものではないと怒ったそうです。

電話は事務員が仕事として使うものかもしれないが、電話の使い方でビジネスが大きく変わることを、当時のドイツの郵政庁は教えたかったのだろうと思います。 コンピュターも情報も使うのは社員であろうと思いますが、どのように使うかを考えるのはトップの仕事ではないでしょうか!

8年前にドラッカーは10年後を予測して情報リテラシーが大事な時代になると言っていましたが、果たして今私達には、その情報リテラシーが身に付いているのでしょうか? 必要な時に必要な情報が入手できる環境と組織と、その情報をビジネスに生かせる環境と組織がなければ情報リテラシーが身についているとはいえないのではないでしょうか?

外部の情報もさることながら、特に企業内部の情報(クレーム・ミス・ロス・営業現場で起きている成功事例や失敗事例) は組織として情報収集し整理、分類、統合し社内に伝えるシステムがキチンと機能している企業とそうでない企業では大きな格差が生じてくるだろうと思います。

インターネットや情報は道具と同じです。道具は資本の一部です。 その資本の生産性を上げるのは人間です。 結局はどうやってそのような人間(知識労働者)を作っていくのかが大きなテーマではないかと思います。

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渡邉勝彦プロフィール

1975年 法政大学経済学部卒業後、東京の中堅印刷会社にて生産関連と営業関連を経験。その後日本経営合理化協会に入社、主に営業マン向けのセミナーを担当、企画立案、セミナーの集客から運営までを行う。

1990年、ワタナベ印刷㈱代表取締役就任。2008年8月、社名をワタナベメディアプロダクツ(株)に変更。印刷会社から販売促進支援業へと大きく進路を転換!現在、マーケティングアドバイザー兼代表取締役として活躍中

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