ワタナベメディアプロダクツ株式会社の代表:渡邉勝彦のブログ
マーケティングアドバイザー渡邉勝彦

競争戦略における差別化とは

梅雨が知らない間にあけて、いつの間にか夏真っ盛りという今日この頃です。
九州方面では集中豪雨で大変な被害がでているようですが、関東では同じ日本とは思えないほど好天気が続いています。
こんな天気の中、先日もゴルフに行ってきました。
ゴルフ場は千葉県の名門「袖ヶ浦カントリー」です。
流石にコースもキャディもレストランも最高でした。
その前に行ったコースとは雲泥の違いでした。
ちなみに、前に行ったコースは倒産しました。やっぱりですよね!

◆競争戦略における差別化とは

ゴルフ場もバブル崩壊後に倒産が相次ぎましたが、その後、外資系の企業が買収して再建を随分と果してきました。
しかし依然としてゴルフ場の数は多すぎます。
多分これからも立ち行かなくなるゴルフ場がでてくるのではないでしょうか?

何故かと言うと、ほとんどのゴルフ場が画一された同じサービスしか提供していないからです。
しかも高コスト体質のままになっています。
これはゴルフ場に限ったことではありません。
自社のポジショニングを明確にしていない企業が未だに多く見受けられます。
ビジネスチャンスを拡大することとターゲットを絞ることとは相反しないのですが、多くの経営者がターゲットを絞ることに恐怖感を覚えます。

アメリカに有名な高収益航空会社があります。
その名前は「サウスウエスト航空」と言います。
普通の航空会社は、ほぼあらゆる発着地間で乗客を輸送する体制を整えます。
多数の目的地に自社の航空機を飛ばし、乗り継ぎの便も乗客に提供するために、フルサービスの航空会社は 主要空港を中心とするハブ・アンド・スポーク・システムを採用しています。
より快適なフライトを求める乗客のためには、ファーストクラスやビジネスクラスを提供しています。
又飛行機を乗り継がねば為らない乗客のために、 スケジュールを調整したり、手荷物の乗り継ぎ手配をしたり、長時間乗る人のために機内食も提供したりもします。
しかしサウスウエスト航空は、これとは全く対照的です。
全ての活動を、特定タイプの路線で低コストで便利なサービスを提供することに集中しています。

発着作業時間はわずか15分で行い、ライバルに比較して飛行機の実働時間を長くして、ライバルより少ない飛行機の数で効率よく運行しています。
機内食や指定席、別の航空会社への手荷物転送、高級クラスなどの設定などを行なわず、ゲートでの自動チェックインだから乗客は旅行会社の手を借りなくてもよく、サウスウエスト側で旅行会社に払う手数料も節約できる。
機体はボーイング737で統一化しており、メンテナンスの効率化も進んでいる。

サウスウエスト航空は、ターゲットを絞り込んで、ユニークで価値の高い戦略的ポジショニング「限定的な顧客サービス」 「中規模都市、二番手空港をつなぐ」「頻繁で信頼性の高い発着時間」 「非常に低い運賃」で顧客の信頼性とリピート率を確保して高収益を上げています。
普通の人は、あまりターゲットを絞り込むと市場が小さくなってしまうので売上が減ってしまうのではないかと悩みます。
確かに限られた市場しかありませんが、確実に市場はあります。
その市場で3分の2以上の占有率を取れば競争優位になれるのです。
このような戦略は何も航空会社に限ったことではありません。

国際的な家具小売業であるスウェーデンのイケアも、明確な戦略的ポジションを持った企業です。
ご存知の方も多いと思いますが、イケアの日本進出は今回で2度目です。
最初の進出は中途半端で見事に失敗をしました。
そして今回再度進出を果たしました。

イケアは低価格戦略ということではニトリとよく比較されますが、ニトリとも違いますし、大塚家具とは対角線上にある企業と言えるでしょう。
普通の家具店は、ショールームに沢山の見本が飾られていて、1つ1つの区画でダイニングセット、ベッド、ソファーというように区切られています。
沢山展示はしてあってもカタログにある商品を全て展示することはできないので、顧客は販売員の説明を聞きながらカタログから商品を選ぶことも多々あります。
その場合、顧客の所に商品が届くまで5?6週間かかるのが当り前です。
こういった顧客1人1人のニーズにあったサービスをするためには、当然コストが掛かります。
商品価格にコストが反映されれば当然価格も高くならざるをえません。

しかしイケアは明確な店内ディスプレイに基づいたセルフサービスを実施しています。
外部のメーカーに依存するのではなく、自社のポジションにふさわしい、低コストでモジュラー形式の、組み立ての容易な家具を自前でデザインしています。
巨大な店舗には、扱っている全製品を実際の部屋同様のレイアウトで展示しています。
したがって顧客は、店員の助けを借りずとも、各家具を組み合わせるとどうなるかを想像できるようになっています。
低コストの戦略的ポジションが実現できるのは、主として顧客に「ドゥ・イット・ユアセルフ」方式が浸透しているからです。

結局イケアもサウスウエスト航空と同じように「顧客サービスは限定的」 「顧客による自主選択」「モジュラー方式の家具デザイン」 「低い製造コスト」という戦略で低価格ポジショニングを実現させています。
これらの企業に共通している点は「ターゲットの絞込み」をして徹底的に差別化戦略を取っているということです。

そう言えば今朝のテレビ東京の番組でも通信販売のニッセンが女性のラージサイズ専門のリアル店舗を出店したという ニュースを伝えていました。
ここでも市場としてはミニマムなターゲットに絞ったことが成功に繋がっていると話していました。
マーケティングにおいて「ターゲッティング」とは非常に重要な要素なのです。

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渡邉勝彦プロフィール

1975年 法政大学経済学部卒業後、東京の中堅印刷会社にて生産関連と営業関連を経験。その後日本経営合理化協会に入社、主に営業マン向けのセミナーを担当、企画立案、セミナーの集客から運営までを行う。

1990年、ワタナベ印刷㈱代表取締役就任。2008年8月、社名をワタナベメディアプロダクツ(株)に変更。印刷会社から販売促進支援業へと大きく進路を転換!現在、マーケティングアドバイザー兼代表取締役として活躍中

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