私の妻の実家は東京下町の神田です。
神田界隈には昔ながらの老舗が
まだまだ軒を連ねている場所が沢山あります。
妻の父、私にとって義父はちゃきちゃきの江戸っ子で、
江戸っ子特有のこだわりを持っている人です。
神田で「うなぎ」といえば「きくかわ」という店が有名です。
多分ご存知の方も多いのではないかと思います。
最近では色々なグルメ番組に登場するようになり
東京以外の人にも知られるようになりましたが、
昔は神田界隈に住む人以外はあまりしられては
いなかった「うなぎ」の老舗です。
この義父のこだわりは、「うなぎ」は「きくかわ」以外のものは
食べないというこだわりでした。
結構食わず嫌いの人で、こだわりの強い人ですが、
ある時義母がいたずらをしました。
「きくかわ」のうなぎと偽って「登亭」のうなぎを
お土産に買ってきて義父に食べさせたのです。
すると「きくかわ」のうなぎと信じて食べた義父は
美味しい美味しいと言って食べたそうです。
それを見ていた義母は「食べてるわ!お父さんの舌も
当てにならないわね!」と言って笑っていたそうです。
その話を聞いて私も思わず吹き出してしまいました!
ノン・カスタマーの分析
ノン・カスタマー(非顧客)とは、市場にありながら、
あるいは市場にあっておかしくないにも関わらず、
自社の商品を購入してくれない人たちのことを言います。
市場分析をするとき、我々は常に現状の顧客ニーズの
分析からはいる場合が多いと思います。
しかし、現在の顧客よりも顧客になっていない
ノン・カスタマーに目を向けることも重要ではないでしょうか!
義父の舌が良いかどうかは分かりませんが、
義父の頭の中のイメージでは、
うなぎは「きくかわ」以外は美味しくないというイメージが
出来上がってしまっているのです。
ノン・カスタマーには大きく分けて3種類の層が存在します
第1層
企業の商品(製品、サービス)は購入しているけれど、
さらに良い商品があればすぐにでもスイッチする顧客群です。
例えば、以前は文具メーカーにとって
従業員30名未満の企業は顧客ではありませんでした。
それは個別対応するには規模が小さすぎて儲からなかったからです。
したがって、この規模の企業とは直接取引はせず、
個人客同様に文具店からの購入と考えていました。
そこに目をつけたのがアスクルです。
アスクルは小規模事業者に対してカタログを配って
電話かファックスで直接注文を受けるという新しいシステムで
市場の拡大に成功しました。
今までは顧客だと思っていなかった小規模事業者という
新しい市場を開拓したのです。
第2層
自分のニーズをよく検討した上で対象企業の商品を
購入しないと意思決定した顧客群です。
私の義父は、もしかするとこの部類に属するかもしれません?
登亭という「うなぎや」は低価格販売の「うなぎや」のはしりでした。
今ではスーパーなどでも安いうなぎを売っていますが、登亭は
先鞭をつけた企業です(私は結構好きです。味も美味しいと思います)
したがって義父にすれば「安かろう、不味かろう」という
イメージがつきまとってしまうのではないかと思います。
そのイメージを払拭できれば、もっと売上も伸びるかもしれません。
第3層
対象企業の商品を使うことすら検討せず、
企業側もその顧客群を対象とは考えていなかった顧客群です。
例えば、皇居の周りにある銭湯は今、皇居周辺を走るランナーを
顧客に取り込み大繁盛しています。
それ以前は、皇居や東京タワー周辺にある銭湯は斜陽産業でした。
何故なら従来の顧客は、現在の銭湯に不満をもっている顧客層だった
からです。
そこで、不満を持っている顧客層から近くで勤務しているサラリーマン、
特に仕事の終わった後に、趣味で走るランナーに目を向けることで
起死回生を図ったのです。
ランナーは銭湯の脱衣場でランニングウエアーに着替え、
荷物を脱衣場に預けて出発します。
そしてランニングを終えたあとは銭湯につかり汗を流します。
ランナーにとっては、まさに便利でありがたい銭湯となったわけであ
ります。
皇居の周りを走るランナーがまさか銭湯の重要顧客になるとは
誰も思わなかったのではないでしょうか!
このように自社の顧客には為り得ないと思っていた層が、
ノン・カスタマー層のフレームワークを使って、
全く別の視点で捉えなおすことによって、
新市場の創出に繋がる可能性が高まるのではないかと思います。
私の義父は、単なる頑固親父ですので
その分類にははいらないかもしれませんが・・・?
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